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アートの使い方|#3|移動とアート

#3移動とアート

2023年9月21日(木)19:30〜21:30
講師:菅原伸也|美術批評・理論




日本のパスポートは「最強」であるといったニュースを皆さんもどこかで見かけたことがあるのではないでしょうか。確かに日本のパスポートを持っている人々は、さまざまな国に行く際に不自由を感じることは少ないかもしれません。しかし、逆に言えばこのことは、他の「弱い」パスポートを持つ人々やそもそもパスポートを持たない人々は、移動する際に困難を覚える可能性があることを意味しています。さらにそこには、財産の多寡や学歴、技能の有無も影響を与えます。このグローバル化した世界においても決して移動の自由はすべての人々にとって平等ではないのです。スペイン出身のサンティアゴ・シエラとキューバ出身のタニア・ブルゲラの作品を通して、移動の不平等とその克服について皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

【講師プロフィール】

菅原伸也(すがわら・しんや)

美術批評・理論。1974年生まれ。コンテンポラリー・アート、そしてアートと政治との関係を主な研究分野としている。最近の論考に、「リヒター、イデオロギー、政治––––ゲルハルト・リヒター再読」 (『ユリイカ』2022年6月号)、「現代的な、あまりに現代的な——「ユージーン・スタジオ / 寒川裕人 想像の力 Part 1/3」展レビュー」(Tokyo Art Beat)、「同一化と非同一化の交錯––––サンティアゴ・シエラの作品をめぐって」(『パンのパン 04下』近刊)など。

【企画・運営】

Illustration by Hiroko Enomoto
井上文雄(いのうえ・ふみお)

オーガナイザー/CAMP代表 。同時代のアートを考えることを目的に「CAMP」を2006年に設立し、アーティストやキュレーター、ディレクター、批評家、研究者、学生などと関わりながら、トークイベントや展覧会、パーティーなどを開催している。その他の最近の活動に、アートの環境の向上を目指すネットワーク「art for all」(2020年~)、「東京大学|文化芸術におけるSDGsのためのファシリテーター育成事業」(2020年度~2022年度)など。

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