Archive【連続レクチャー】アートの使い方

【連続レクチャー】アートの使い方

アートで何をすることができるか? この連続レクチャーでは、現代アートの作品や展覧会、アートプロジェクトなどの具体例を挙げながら、いくつかの「アートの使い方」を提案します。そして、アートの知識を得るだけなく、日々の生活や仕事で何かをする/考えるときに、アートをどのように使うことができるを一緒に学びます。それぞれのレクチャーは、遠藤麻衣(俳優・美術家)、清水知子(東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科准教授)、菅原伸也(美術批評・理論)、成相肇(東京国⽴近代美術館主任研究員)、BARBARA DARLINg(パフォーマンス/ビジュアル アーティスト)、三上真理子(インディペンデントキュレーター・アートプロジェクトマネージャー)によって行われます。現代アートに興味がある方であれば、どなたでも歓迎です。

定員:【会場】20名、【オンライン】20名
期間:2023年8月24日〜11月2日(全6回)
日時:隔週木曜日 19:30〜21:30
会場:SUGAR CUBE(東京都杉並区天沼3-1-5 サン建設ビル地下1階)
   JR中央線・東京メトロ丸の内線「荻窪駅」北口から徒歩約4分
オンライン:Peatixのイベント視聴ページでのVimeoの埋め込み配信

受講料:【会場受講】【オンライン受講】【+アーカイブ配信】全6回15,000円(税込)
※会場での受講は各回1ドリンク付き
※受講者は指定URLでアーカイブ配信を12月2日まで視聴可能
※会場では各レクチャー終了後、30分程度の交流会を予定しています

【会場受講+アーカイブ配信】【オンライン受講+アーカイブ配信】について
こちらを申込いただいた方は、開催前のレクチャーは会場やリアルタイム配信、開催後のレクチャーはアーカイブ配信で受講できます。

#1Transcultural Living Within: 内なる異文化と共に生きるには?

2023年8月24日(木)19:30〜21:30
講師:三上 真理子|インディペンデントキュレーター・アートプロジェクトマネージャー

個人にとっても、社会にとっても、他者、そして異文化との出会いは、アイデンティティの確立、そして世界の相対化にとって不可欠です。しかし、自分が暮らす社会や抱える問題意識との距離が近いほど、心地良いものばかりではありません。雑多で時に矛盾しながらも、飼いならしてきた価値観に、さざ波が経つことは少なくありません。本レクチャーでは、近現代の日本社会を外の目から再考するアートプロジェクトを事例に、視点の複数化の可能性とそこに潜む罠について、また思考と実践の曖昧な駆け引きについて、考えていきたいと思います。日常生活から異文化感受性を高めるためのタクティクスを、参加者それぞれが発見できるような場にしたいと思います。

#2コンビニで作品をつくる

2023年9月7日(木)19:30〜21:30
講師:成相 肇|東京国⽴近代美術館主任研究員

コピー機が普及し始めた1960年代、その技術はまたたく間に広まり、早くも60年代中ごろには商品名のxeroxがcopyと同じ意味の動詞として定着することになります。コピー機は魔法のような事務用品であると同時に、芸術家にとっては脅威の対象でもありました。ガラス面にものを乗せ、ボタン一つ押すだけで複製のイメージが生み出される。つまり、きわめて簡単な「版画」が世に広まったのです。当時のアーティストはどのようにこの新技術を受け止め、どのように利用したのでしょう。その事例を紹介するとともに、コンビニのコピー機によるワークショップも行います。今日の生成AIの議論にもつながる、複製をめぐる議論の実践的入門です。

#3移動とアート

2023年9月21日(木)19:30〜21:30
講師:菅原伸也|美術批評・理論

日本のパスポートは「最強」であるといったニュースを皆さんもどこかで見かけたことがあるのではないでしょうか。確かに日本のパスポートを持っている人々は、さまざまな国に行く際に不自由を感じることは少ないかもしれません。しかし、逆に言えばこのことは、他の「弱い」パスポートを持つ人々やそもそもパスポートを持たない人々は、移動する際に困難を覚える可能性があることを意味しています。さらにそこには、財産の多寡や学歴、技能の有無も影響を与えます。このグローバル化した世界においても決して移動の自由はすべての人々にとって平等ではないのです。スペイン出身のサンティアゴ・シエラとキューバ出身のタニア・ブルゲラの作品を通して、移動の不平等とその克服について皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

#4エイリアンから見る

2023年10月5日(木)19:30〜21:30
講師:BARBARA DARLINg|パフォーマンス/ビジュアル アーティスト

「アートに政治を持ち込むな」「アートと政治は不可避」のような議論をよく目にします。真逆のことを訴えているように見えますが、そもそもこれらの「アート」と「政治」に対する批判的なまなざしは、「どこ」の「誰」から注がれているのでしょうか。この問いに対して、コミュニティや地域で、さまざまな区分けによって外部化(エイリアン化)される/する身体による「アート」と「政治」の経験からなる視点に着目し、経済や地球環境の課題も踏まえながら考察してみます。

#5現代アートと動物たち

2023年10月19日(木)19:30〜21:30
講師:清水知子|東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科准教授

人類最初の洞窟壁画に始まり、絵画、剥製、映像そしてバイオアートにいたるまで、芸術と動物は歴史的にも長く深い関係を築いてきました。そこには、動物たちと多くの時間を過ごしてきた人間の他なるものへの欲望も描きこまれています。人間と動物、人間と自然、その「あいだ」をめぐる力学とはどのようなものだったのでしょうか。またそれはテクノロジーの進展とともにどのように変化したのでしょうか。そして、アートはそこにおいてどのようなダイアローグの場として機能してきたのでしょうか。アートの世界の動物たちについて、具体的な事例をとりあげながら、自然や動物に対する人間の想像的/創造的交渉の過程をめぐるドラマをみなさんと探っていきたいと思います。

#6はだかになる

2023年11月2日(木)19:30〜21:30
講師:遠藤麻衣|俳優・美術家

はだかになること。この不自然で不適切な行為がなぜ芸術表現として行われるのでしょうか? 「Your body is a battleground」という表現にあるように、「はだか」は社会的な争いが生じる場所です。これまでの裸体表現を具体的に見ていきつつ、それがどのような争いを巻き起こしたのか、あるいは争いにならなかったのか、異なる時代や国における表現を共有します。そして、本当に露わになっているのはなんなのか?について、みなさんと考えていきます。

【講師プロフィール】

Photo by Subaru Moriwaki
三上 真理子(みかみ・まりこ)

インディペンデントキュレーター・アートプロジェクトマネージャー。東京大学総合文化研究科で比較文学比較文化を学んだのち、研究支援機関勤務を経て、現在はデュッセルドルフと東京、時々ベルリンを行き来しながら、近現代視覚文化のキュレーション、プロジェクトマネジメント、リサーチ、翻訳、執筆などさまざまな活動にたずさわる。近年のプロジェクトに「ミン・ウォン:偽娘恥辱㊙︎部屋」(ASAKUSA, 東京, 2019)、「オモシロガラ」(DKM美術館, デュイスブルク, 2021)、「Resonances of DiStances」(BOA/Kunstverein Leverkusen, デュッセルドルフ/レバークーゼン, 2021)、「ハイドルン・ホルツファイント:こんな今だから。」(ASAKUSA, 東京, 2022)など多数。

成相 肇(なりあい・はじめ) 

東京国⽴近代美術館主任研究員。美術批評家。1979年島根県⽣まれ。⼤学在学中に現代美術家に出会い、19歳で初めて美術館を訪ねる。⼀橋⼤学⼤学院⾔語社会研究科修了後、府中市美術館、東京ステーションギャラリー学芸員を経て2021年より現職。「石子順造的世界 美術発・マンガ経由・キッチュ行」(第24回倫雅美術奨励賞)、「ディスカバー、ディスカバー・ジャパン 「遠く」へ行きたい」、「パロディ、二重の声 日本の1970年代前後左右」(同)など、美術と雑種的な複製文化を混交させる企画を手がけながる。2022-23年、「大竹伸朗展」(東京国⽴近代美術館)を担当。

菅原伸也(すがわら・しんや)

美術批評・理論。1974年生まれ。コンテンポラリー・アート、そしてアートと政治との関係を主な研究分野としている。最近の論考に、「リヒター、イデオロギー、政治––––ゲルハルト・リヒター再読」 (『ユリイカ』2022年6月号)、「現代的な、あまりに現代的な——「ユージーン・スタジオ / 寒川裕人 想像の力 Part 1/3」展レビュー」(Tokyo Art Beat)、「同一化と非同一化の交錯––––サンティアゴ・シエラの作品をめぐって」(『パンのパン 04下』近刊)など。

BARBARA DARLINg(ばーばら・だーりん)

パフォーマンス/ビジュアル アーティスト。「Optional Art Activity「 Who is “Mr. SUZUKI”?」(Take Ninagawa, 東京, 2016)に参加、「作家ドラフト2016」(京都芸術センター, 京都, 2016)出展、個展「gathering」(DMM / 35°37’41.7″N 139°45’20.7″E, 東京, 2023)を開催、「戦争画STUDIES」(東京都美術館, 東京, 2015)や「The shiny future exhibition 2013 The HUMANISATION」(東京都美術館, 東京, 2013)をキュレーション・出展。

清水知子(しみず・ともこ)

東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科准教授。専門は文化理論、メディア文化論。米国ハーバード大学ライシャワー日本研究所客員研究員(フルブライト研究員2010−2011)、独ベルリン自由大学客員研究員(2018-2019)。著書に『文化と暴力―揺曳するユニオンジャック』、『ディズニーと動物―王国の魔法をとく』、共訳にジュディス・バトラー『アセンブリ―行為遂行性・複数性・政治』、『非暴力の力』、アントニオ・ネグリ/マイケル・ハート『叛逆―マルチチュードの民主主義宣言』、ディヴィッド・ライアン『9・11以後の監視:〈監視社会〉と〈自由〉』など。

Photo by Satomi Tomita
遠藤麻衣(えんどう・まい)

俳優・美術家。イメージとの関わりにおけるパフォーマティブな身体に関心を寄せ、映像、写真、演劇、本などのメディアや方法論を横断した表現をしている。近年は、美学校で「シャドーフェミニズムズの芸術実践」の開講や、丸山美佳との「Multiple Spirits(マルスピ)」でジン出版や展覧会企画などクィアフェミニスト的な実践を展開している。主な展覧会に「体の終わり La Clausura del Cuerpo」(Centro Cultural las Cigarreras, Alicante, 2022)、「フェミニズムズ」(金沢21世紀美術館, 石川, 2021)など。2023年に「Scraps of Defending Reanimated Marilyn」(oarpress)刊行。2022年文化庁新進芸術家海外研修制度でニューヨーク滞在。

【企画・運営】

Illustration by Hiroko Enomoto
井上文雄(いのうえ・ふみお)

オーガナイザー/CAMP代表 。同時代のアートを考えることを目的に「CAMP」を2006年に設立し、アーティストやキュレーター、ディレクター、批評家、研究者、学生などと関わりながら、トークイベントや展覧会、パーティーなどを開催している。その他の最近の活動に、アートの環境の向上を目指すネットワーク「art for all」(2020年~)、「東京大学|文化芸術におけるSDGsのためのファシリテーター育成事業」(2020年度~2022年度)など。

【会場受講について】
  • イベント開始時間の30分前より開場いたします。
  • 会場スタッフの指示・注意に従ってください。万が一、イベントの進行の妨げになると判断した場合、イベントの中断・中止や、特定のお客様にご参加をお断りする場合がございます。
  • アルコール消毒液をご用意しておりますので、ご入場の際は、手指の消毒にご協力お願いいたします。
  • 会場チケットをご購入された方も、リアルタイム配信とアーカイブ配信をご利用いただけます。オンライン視聴につきましては、【オンライン受講について】をご確認ください。
  • 37.5℃以上発熱している方、当日体調などに不安がある方はオンライン視聴をご利用ください。
  • 車椅子やベビーカーでお越しの方は、当日スムーズにご案内するため、会場スタッフにお声掛けいただくか、お手数ですが事前にご利用の旨をお知らせの上ご予約ください。
    会場は地下1階でエレベーターはありません。階段のみとなります。
  • イベントご来場にあたりご不明な点がございましたら、下記の<お問い合わせ先>までお気軽にご連絡ください。
【オンライン受講について】
  • イベント開始時間の30分前よりオンライン開場いたします。
  • 配信はPeatixのイベント視聴ページでのVimeoの埋め込み配信になります。
  • イベント中、お客様の顔や音声などは配信されません。質問やコメント等は、チケットご購入後にお伝えするLINEのオープンチャットをご利用ください。
  • リアルタイム配信とアーカイブ配信をご利用いただけます。チケットご購入後、全6回分のリアルタイム配信URLをPeatixメッセージ機能でお送りいたします。リアルタイム配信URLのご登録はチケットご購入時のPeatixアカウントからお願いします。アカウントが異なる場合、主催者から確認のご連絡をさせていただく場合がございます。
  • アーカイブ配信は、チケットご購入後にお伝えする指定URLで12月2日まで視聴可能です。
  • 1名分のチケットで複数人が視聴する行為は禁止となります。発覚した場合、配信の停止を行うこともございますのでご注意ください。
  • ご利用の通信環境及び会場の通信環境の不具合等により、配信の遅延が起こる場合がございますので、ご了承ください。
【キャンセルについて】
  • 全6回のレクチャーとなりますので、初回受講後のお客様都合によるキャンセルは承っておりません。何卒ご了承ください。
【主催・会場】
SUGAR CUBE(東京都杉並区天沼3-1-5 サン建設ビル地下1階)
【イベントに関するお問い合わせ】
ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
お問合せの前に下記のFAQもご活用ください。

<お問い合わせ先>
info(at)sugar-cube.net
※(at)を@に変換して送信してください。
FAQ:イベントに関するお問い合わせ

イベントに参加するには?

イベント申し込みURLは、各イベントページにて公開しております。「イベントのご予約はこちらから!」をクリックするとチケット申し込みサイトPeatixのページに移動します。詳細をお確かめの上、お申し込みください。

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※会場チケットをご購入いただいた方も、リアルタイム配信をご覧いただけます。

アーカイブ配信はどのように閲覧できますか?

チケットご購入後にお伝えする指定URLで12月2日まで視聴可能です。

アーカイブ配信とは?

当日参加ができなかった方や、もう一度イベントをご覧いただきたい方のために、イベント終了後、一定期間視聴できる配信のことです(期間中であれば何度でもご覧いただけます)。
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